東京高等裁判所 平成3年(行ケ)60号 判決 1991年10月16日
神奈川県伊勢原市粟窪三一番地の一二
原告
株式会社トーシンテクニカル
右代表者代表取締役
清水康弘
東京都千代田区霞が関三丁目四番三号
被告
特許庁長官 深沢亘
右指定代理人
土井清暢
小林武
後藤晴男
松木禎夫
主文
原告の請求を棄却する。
訴訟費用は原告の負担とする。
事実
第一 当事者の求める判決
一 原告
1 特許庁が、同庁平成元年審判第一八七号事件について、平成二年一二月二〇日にした審決を取り消す。
2 訴訟費用は被告の負担とする。
二 被告
主文同旨。
第二 当事者の主張
一 特許庁における手続の経緯
原告は、発明の名称を「吊り上げ機構を有する車輛」とする発明(以下「本願発明」という。)につき、昭和五八年九月二八日特許出願をしたところ、昭和六三年一一月一六日に拒絶査定を受けたので、昭和六四年一月四日、これに対し審判の請求をした。
特許庁は、右請求を同庁平成元年審判第一八七号事件として審理した上、平成二年一二月二〇日、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決をし、その謄本は、平成三年二月二七日、原告に送達された。
二 本願発明の要旨
車輛本体の荷物積部に設けられた荷物積部屋根部と、この荷物積部屋根部の内側上部に設けられ車輛の長手方向と同一方向に摺動式にて伸縮自在に設けられた長手形状の支持体と、この支持体の一端に設けられ前記支持体の長手方向に移動可能に設けられた荷物吊り部とを備え、前記支持体を車輛本体の後部側に伸長させ、この後部側にてこの荷物吊り部で吊り上げられた荷物が前記積部屋根部内に収納されるように構成した吊り上げ機構を有する車輛。(本判決別紙本願発明図面第2図ないし第5図参照)
三 本件審決の理由の要点
1 本願の出願日は一項のとおり、本願発明の要旨は二項のとおりである。
2 これに対して、審査手続における拒絶理由に引用された特開昭五八-一六九三三号公報(以下「第一引用例」という。)には、次のような車輛が記載されているものと認められる。
「車輛本体の荷物積部に設けられた荷物積部屋根部(荷箱1の屋根部、以下括弧内は第一引用例のものの、本願発明の構成に対応する部材名を記す。)と、この荷物積部屋根部の内側上部に設けられた車輛の長手方向と同一方向に設けられた長手形状の支持体(主レール3、補助レール4)と、この支持体の一端に設けられ前記支持体の長手方向に移動可能に設けられた荷物吊り部(クレーン5)とを備え、前記支持体(主レール3、補助レール4)を車輛本体の後部側に伸長させ、この後部側にてこの荷物吊り部(クレーン5)で吊り上げられた荷物が前記積部屋根部内に収納されるように構成した吊り上げ機構を有する車輛。」
また、同じく拒絶理由に引用された実開昭四七-三〇二〇七号公報(以下、「第二引用例」という。)には、次のような荷役車輛のコラム上に設けられた走行レールに取付けた(ホイスト)支持体の構造が記載されているものと認められる。
「レール4と直角方向にガーダー8を置き、ガーダー上にホイスト6を設け、ガーダー8間部に突出しブーム7を組み込み、必要に応じて車体外にブーム7及びホイスト6を摺動させて突き出す構造。」
3 そこで、本願発明と第一引用例に記載のものを対比すると、両者は、「車輛本体の荷物積部に設けられた荷物積部屋根部と、この荷物積部屋根部の内側上部に設けられ車輛の長手方向と同一方向に設けられた長手形状の支持体と、この支持体の一端に設けられ前記支持体の長手方向に移動可能に設けられた荷物吊り部とを備え、前記支持体を車輛本体の後部側に伸長させ、この後部側にてこの荷物吊り部で吊り上げられた荷物が前記積部屋根部内に収納されるように構成した吊り上げ機構を有する車輛。」である点で一致し、本願発明では、支持体が摺動式にて伸縮自在であるのに対し、第一引用例記載のものは、支持体が摺動式にて伸縮自在ではない点(即ち、第一引用例記載のものでは支持体に相当するレール3、4がヒンジを介して折り曲げ自在である点)で相違する。
4 前記相違点について検討する。
第二引用例には、前記のように、荷役車輛におけるホイスト支持体(ガーダー8及びブーム7に相当する)が摺動式にて伸縮自在であるものが記載されており、このような本願発明と同様な荷役車輛のホイスト支持体を第一引用例の支持体(主レール3、補助レール4)に代えて用いることは、当業者にとって格別の発明力を要するものでもない。
5 したがって、本願発明は、第一引用例及び第二引用例に記載のものから当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第二九条第二項の規定により特許を受けることができない。
四 本件審決の取消事由
本件審決は、本願発明と第一引用例記載のものとの相違点についての判断において、第一引用例記載の支持体に代えて、第二引用例記載のホイスト支持体を用いることは当業者にとって格別の発明力を要するものでもないと判断を誤った結果、本願発明は、第一引用例及び第二引用例に記載のものから当業者が容易に発明をすることができたと判断を誤った違法があるから、取り消されなくてはならない。
即ち、第二引用例記載のホイスト支持体は、車輛の長手方向に対して直交する、横方向に伸縮自在のものであり(第二引用例記載のものについて本判決別紙第二引用例図面参照)、本願発明の車輛の長手方向に伸長するものと構成が異なり、また、本願発明は、固定脚を用いる必要もなく、ボディの補強も必要でないという、特段の効果を奏するものである。
本願発明の特徴は、普通の市販トラックにクレーンを装着するだけで、他に、油圧式の脚等を設けることなく使用できるようにするために、車輛の長手方向と同一方向に摺動式に、且つ、伸縮自在な支持体を設けて荷物吊り部を荷物積部屋根部内に収納するようにした点にある。
これに対し、第一引用例に記載されたものは、レール3、4がヒンジを介して折り曲げちれているもので、本願発明と比べると、折れ曲がるレール4の長さが車の幅の半分に規制され、荷物を積み込む作業が困難であった。また、耐荷重性を得ることが難しく、重量の重いものには適用することができない上、固定脚を用いなければ転倒してしまい、ボディの補強も必要であった。
更に、第二引用例記載のものは、車輛の長手方向に対して直交する方向に伸縮自在であるため、耐荷重性を保つことはできず、耐荷重性を得ようとすると、車体の剛性を上げなければならないので、大幅な重量増及びコストアップとなり、フレーム、床等の大幅な強化をしなければ実用に供することができない。また、車体の横方向に伸ばした場合には、車体が転倒するおそれがあるため、車体の一方の側部に、油圧式の脚を設ける必要があり、それによっても大幅なコストアップ、重量の大幅アップとなり、通常の走行における左右の重量アンバランスによる走行性能の低下をもたらす。
本願発明は、車輛の長手方向においてレールが伸縮自在に設けられているため、第一引用例及び第二引用例のいずれの構成とも異なり、且つ、使用時に油圧脚等の支えを用いることなく操作できるもので、市販車のトラックを何らの改造もなく用いることができ、耐荷重性に優れた構成は、十分な特許性を有している。
なお、前記三(本件審決の理由の要点)1ないし3及び4の内、第二引用例には、荷役車輛におけるホイスト支持体(ガーダー8及びブーム7に相当する)が摺動式にて伸縮自在であるものが記載されている旨の認定判断は認める。
第三 請求の原因に対する認否及び被告の主張
一 請求の原因一ないし三は認め、同四は争う。本件審決の認定判断は正当であり、原告主張の取消事由はない。
二 本件審決の第二引用例記載事項の認定は、「ホイスト支持体が摺動式にて伸縮自在であるもの」というものであって、第二引用例と本願発明の支持体の構成に差異はない。
また、車輛への支持体の取り付け方向の差については、本願発明と第一引用例において、取り付け方向は同じであり、この点は本件審決において一致点として認定しているところである。原告の主張は失当である。
原告主張の本願発明の効果は、第一引用例記載のもの自体が持つ効果である。即ち、第一引用例記載のものも、支持体の構成部材である補助レールを車輛長手方向にセットした状態で使用されるものであるから、固定脚が不要で、ボディの補強も不要という本願発明の効果と差異がない。もっとも、第一引用例記載のものには脚があるが、これは単に、より安全を確保するために必要により設けられるもので、支持体の構造から必要となったものでないことは自明である。
以上、要するに、本願発明は第一引用例記載のホイスト支持体に代えて、第二引用例に記載された本願発明と同様な荷役車輛のホイスト(クレーン)支持体を用いたものであって、しかも公知の技術の代替によって格別の効果が生じないので、本願発明は第一引用例及び第二引用例の記載から当業者が容易に発明をすることができたとした本件審決の認定判断に誤りはない。
第四 証拠関係
証拠関係は、記録中の書証目録記載のとおりであるから、これを引用する
理由
一 請求の原因一(特許庁における手続の経緯)、二(本願発明の要旨)及び三(本件審決の理由の要点)は、当事者間に争いがない。
二 本願発明について
成立について当事者間に争いのない甲第二号証ないし甲第五号証によれば、本願発明の、特許出願当初の明細書に、昭和六一年九月二二日付、昭和六二年一一月二日付及び平成元年二月一日付各手続補正書により補正をしたもの(以下「本願明細書」という。)には、本願発明の目的、構成及び効果について、次のような記載があることが認められる。
1 本願発明の目的
本願発明は吊り上げ機構を有する車輛に関し、特に、荷物を積むための荷台に設けられた屋根内に移動自在な吊り上げ部を有し、屋根内に自在に荷物を積むことができるようにするための新規な改良に関するものである。
従来、用いられていたこの種の車輛においては、本判決別紙本願発明図面第1図に示されるように、荷物積部1の一端に基部2を設け、この基部2に油圧で制御される吊り上げ部3が作動するように構成されていた。ところが、このような従来の構成においては、基部2が荷物積部1の車の進行方向に対して左右いずれかに寄せられて設けられていたため、車の進行方向に対して左右振れを起し、これを防止するために車の後部の左右に一対の足をとりつけ、作業中は地面に接地させなければならなかった。
又、吊り上げ部3は上方高く移動するため、荷物積部1に屋根を設けることができず、雨、ホコリ等に耐えられる荷物しか積むことが出来なかった。
本発明は以上の欠点をすみやかに除去するための極めて効果的な手段を提供することを目的とするもので、特に、荷物積部に設けられた荷物積部屋根内に吊り上げ機構を設け、荷物および吊り上げ機構をすべて荷物積部屋根内に収納することができる構成である(甲第二号証三頁二行から四頁六行まで)。
2 本願発明の構成
請求の原因二(本願発明の要旨)のとおり。
3 本願発明の効果
本発明は以上のような構成と作用とを備えているため、屋根の内に吊り上げ部を収納できるので、荷物は全て屋根の中に積むことができる。又、支持部が車輛の長手方向の中央部に設けられているため、従来のように足を必要としない等の効果を奏するものである(甲第二号証六頁二行から七行まで)。
三 取消事由について
1 本願発明と第一引用例に記載のものを対比すると、両者は、「車輛本体の荷物積部に設けられた荷物積部屋根部と、この荷物積部屋根部の内側上部に設けられ車輛の長手方向と同一方向に設けられた長手形状の支持体と、この支持体の一端に設けられ前記支持体の長手方向に移動可能に設けられた荷物吊り部とを備え、前記支持体を車輛本体の後部側に伸長させ、この後部側にてこの荷物吊り部で吊り上げられた荷物が前記積部屋根部内に収納されるように構成した吊り上げ機構を有する車輛。」である点で一致し、本願発明では、支持体が摺動式にて伸縮自在であるのに対し、第一引用例記載のものは、支持体が摺動式にて伸縮自在ではない点(即ち、第一引用例記載のものでは支持体に相当するレール3、4がヒンジを介して折り曲げ自在である点)で相違することは当事者間に争いがない。
また、第二引用例には、荷役車輛におけるホイスト支持体(ガーダー8及びブーム7に相当する)が摺動式にて伸縮自在であるものが記載されていることも当事者間に争いがない。
したがって、第一引用例記載のものの、車輛本体の後部側に伸長させることのできる、車輛の長手方向と同一方向に設けられた長手形状の支持体で採用されている、車輛本体の後部側に伸長させるためにレール3、4がヒンジを介して折り曲げ自在であるという構成にかえて、第二引用例に記載されている、荷役車輛におけるホイスト支持体を摺動式で伸縮自在のものとする公知の技術を採用することは、当業者にとって容易であり格別の発明力を要するものではないと認められる。
なお、成立について当事者間に争いのない甲第六号証によれば、第一引用例には、支持体に相当するレール3、4がヒンジを介して折り曲げ自在であるものが記載されている他、主レール3に対して補助レール4を重合させて、該補助レール4を引き伸ばす構成を採ることができることが示唆されていること(甲第六号証二頁左下欄一二行から一四行まで及び三頁左上欄七行から九行まで)が認められ、この点を考慮すれば、第二引用例に記載されている、荷役車輛におけるホイスト支持体を摺動式で伸縮自在のものとする公知の技術を採用することは、当業者にとってより一層容易であるものと認められる。
2 原告は、第二引用例記載のホイスト支持体は、車輛の長手方向に対して直交する、横方向に伸縮自在のものであり、本願発明の車輛の長手方向に伸長するものと構成が異なる旨主張するが、車輛の長手方向と同一方向に設けられた長手形状の支持体及びその支持体を車輛本体の後部側に伸長させることは第一引用例に記載されているものであり、その車輛の長手方向と同一方向に設けられた長手形状の支持体を車輛本体の後部側に伸長させる方法として、第二引用例に記載されている、荷役車輛におけるホイスト支持体を摺動式で伸縮自在のものとする技術を採用することは当業者にとって格別の発明力を要しないものと認められ、第二引用例記載のホイスト支持体が横方向に伸縮自在であることは、その判断を左右するものではない。
3 また、原告は、本願発明は、固定脚を用いる必要がないという、特段の効果を奏するものである旨主張する。
前記二(本願発明について)のとおり、本願明細書には、従来技術においては、吊り上げ部の基部が荷物積部の車の進行方向に対して左右いずれかに寄せられて設けられていたため、車の進行方向に対して左右振れを起し、これを防止するために車の後部の左右に一対の足をとりつけ、作業中は地面に接地させなければならないという欠点があり、本願発明はその欠点を除去することを目的の一つとするものである旨及び本願発明においては、支持部が車輛の長手方向の中央部に設けられているため、従来のように足を必要としない効果を奏する旨の記載がある。
前記甲第二号証ないし甲第五号証によれば、本願明細書には、実施例についての説明として、「この荷物積部屋根部13の内部頂部には第3図に示すように、車輛10の長手方向の中央部に長手形状の支持体15が設けられており、」との記載があり、第3図(本判決別紙本願発明図面第3図)には、長手形状の支持体とみられる部材が、トラックの荷物積部の左右方向の中央部に、長手方向(前後方向)に沿って設けられている状況が点線で図示されていることが認められる。
前記、本願発明の効果に関する本願明細書の「支持部が車輛の長手方向の中央部に設けられている」旨の記載は、右実施例についての説明を受けているものと認められることと、本願明細書の本願発明の目的についての記載を合わせ考えると、本願明細書の「本願発明においては、支持部が車輛の長手方向の中央部に設けられているため、従来のように足を必要としない効果を奏する」旨の記載は、支持部が荷物積部の左右方向の左又は右に片寄らない中央部に設けられているため、荷物を吊り上げても車が左又は右に振れることがなく、したがって、左右の振れを防止し固定するための足を設ける必要がないという効果を奏するという意味に理解することができる。
しかし、本願発明の実施例として、支持部が荷物積部の左右方向の左又は右に片寄らない中央部に設けられているものが本願明細書に記載されていることは前記のとおりであるが、本願発明の要旨には、支持部が荷物積部の左右方向の左又は右に片寄らない中央部に設けられているという限定はないから、本願発明は、支持部が荷物積部の左右方向の左又は右に片寄って設けられたものをも含むものであり、前記のような効果は、本願発明のすべてが奏するものとは認められない。
また、成立について当事者間に争いのない甲第六号証によれば、第一引用例には、本判決別紙第一引用例図面のとおりの図面が記載されており、第一引用例記載の発明は、支持部が荷物積部の左右方向の左又は右に片寄らない中央部に設けられているものをも実施例として含むものであることが認められる。したがって、そのような実施例は、左右の振れを防止し固定するための足を設ける必要がないという効果を奏するものと認められる。
右甲第六号証によれば、第一引用例の図面には、第一引用例の荷役装置を設けた貨物車の荷箱の後部下面の左右にアウトリガー(足)が設けられた状況が図示されている(本判決別紙第一引用例図面第1図及び第2図参照)ことが認められる。しかし、右甲第六号証によれば、第一引用例の発明の詳細な説明の欄には、実施例についての説明として、「荷箱1の後部下面には必要によりアウトリガー13を設けてあり、補助レール4上のクレーン5で荷を吊ったとき車体の前部が浮き上がるのを防止してある。」との記載があること及び第一引用例記載のものにおいてアウトリガーを設けることが必須の要件であることを示す記載のないことが認められる。したがって、第一引用例記載のものは、荷箱の後部下面の左右にアウトリガー(足)が設けられたものを実施例として含むものであるが、アウトリガー(足)を設けることは必須の要件ではなく、しかも右実施例においてアウトリガー(足)を設けるのは、補助レール上のクレーンで荷を吊ったとき車体の前部が浮き上がるのを防止することを目的とするもので、左右の振れを防止し固定することを目的とするものでない。ところで、本願発明においても、車輌の長さ、支点となる後部車輪の位置、車輌前部の重量、車輌本体の後部側に伸長する支持体の長さ、荷物吊り部で吊り上げる荷物の重量によっては、荷物積部の後部下面に足を設けて車体の前部が浮き上がるのを防止することが必要となることは自明である。
よって、固定脚(足)を用いる必要がないという効果は本願発明の奏する特段の効果であるとは認められない。
4 次に、原告は、本願発明はボディの補強が必要でないという、特段の効果を奏するものである旨及び本願発明は耐荷重性に優れている旨主張する。
しかし、前記甲第二号証ないし甲第五号証によれば、本願明細書には右のような効果の記載はないことが認められ、また、右のような効果が自明のことであると認めるに足りる証拠もないから、ボディの補強が必要でないこと及び耐荷重性に優れていることを本願発明の効果として主張することはできない。
四 よって、その主張の点に違法があるとして本件審決の取消しを求める原告の本件請求は理由がないので棄却することとし、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 元木伸 裁判官 西田美昭 裁判官 島田清次郎)
別紙 本願発明図面
<省略>
別紙 第一引用例図面
<省略>
別紙 第二引用例図面
<省略>